【Google Cloud Next '26 in Las Vegas】現地参加レポート
- 5 時間前
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リベルスカイのデータおじさんです。 ラスベガスで開催された「Google Cloud Next '26」に参戦し、無事に帰国しました!
前回の記事で「今年のテーマはAgentic Enterpriseとそれを支えるセキュリティ基盤になるのでは?」と予想していましたが、もちろん、その通りであったものの現地で待っていたのは、その予想を遥かに超えるUpdateスケールと熱量でした。
おもにX界隈では華やかな生成AIのフロントエンド機能に沸いていますが、私たちが現地で真に震え、興奮させられたのは「いかにしてAIを安心・安全に利用し、パートナーとして共に働いていくか」を実現するための、裏側の泥臭くも美しいアーキテクチャの進化でした。
今回の記事では、データとセキュリティを愛するリベルスカイのエンジニアの目線で、Next '26のハイライトと現地での率直な所感をお届けしたいと思います!
1. 2年連続の快挙:Security Partner of the Year 受賞🎖️
カンファレンスに先立って行われたPartner Summitにて、リベルスカイは昨年に引き続き、2年連続で「Security Partner of the Year - Japan」を受賞いたしました。

後述する「エージェント・エコシステム」をビジネスで成立させるためには、データ基盤とセキュリティが不可欠です。
私たちが得意とするこの領域が、Google Cloudの戦略のど真ん中に位置していることを再確認できた、誇らしいスタートとなりました。
詳細については同行したセキュリティ部門担当の記事で語られる予定ですので、ぜひそちらもご一読ください。
2. Keynote:Agentic を Enterpiseに!

Day 1のOpening Kenoteでは、AIを自律的に業務を遂行する「エージェント」へと進化させ、企業全体(エンタープライズ)に組み込むための明確なビジョンと、それを支える強靭なインフラスタックを発表しました。
Kenoteにおける主要な発表のサマリは以下の通りです。
Agentic Enterprise Blueprintの提示: 「Only Google」と題された、AIのためのフルスタック・アーキテクチャが公開されました。 最下層の「AI Hypercomputer」の上に、「Agentic Data Cloud」と「Agentic Defense」という極めて堅牢な土台が敷かれ、その上でエージェントやモデルが稼働する全体構想が示されています。
Gemini Enterprise Agent Platformの発表: エージェントを本番環境で「構築(Build)」「拡張(Scale)」「統制(Govern)」「最適化(Optimize)」するための統合プラットフォームが発表されました。Alphabet CEOのSundar Pichai氏が「自分たちが最初の顧客(カスタマー・ゼロ)である」と語った通り、Google検索やYouTubeを支えてきた技術がエンタープライズ向けに解き放たれます。
次世代 AI Hypercomputer(TPU 8t / 8i)の登場: 学習に特化した「TPU 8t」と、推論に特化した「TPU 8i」が発表されました。特に推論向けの8iは、数百万の同時エージェントをコスト効率よく稼働させるために設計されています。
パートナー企業への7億5,000万ドルの投資: エージェンティックAIの社会実装を加速させるため、Googleはパートナーに対して7億5,000万ドル(約1,100億円)という巨額の投資を行い、さらにGoogleのエンジニア(FDE)を直接派遣してチームの立ち上げを支援するという強烈なコミットメントを発表しました。
今回のメッセージを受け、同時にこれを支える技術やサービスが Google Cloud と Google Workspace で提供されていることが紹介されました。
本記事では上述の Agentic Enterprise Blueprint の中でも、リベルスカイの特徴である「データ」と「セキュリティ」にフォーカスし、Agentic Data Cloud、Agentic Defense にそれぞれ触れていきたいと思います。
3. Agentic Data Cloud:Agenticを加速させるオープンなデータ基盤
私自身、データエンジニアとして最も関連があり、様々なセッションにも参加した「Agentic Data Cloud」レイヤのお話になります。
Keynote以外のセッションでも最も多かったキーワードはやはり「Zero Copy」「MCP」だったのではないでしょうか。
これまではクラウド・オンプレミス間のデータ移動やコピーに多大な労力を割いてきましたが、Googleは Apache Iceberg を標準規格として全面的に採用し、BigLakeを 「Lakehouse」 へと進化させました 。

ゼロコピーとCross Cloudの実現: Icebergによる双方向連携(Read/Write)とマネージドキャッシュにより、AWSやAzure上のデータに対しても、コピーを作成することなく(ゼロコピー)、BigQueryの強力なエンジンで分析することが可能になります 。
MCP(Model Context Protocol)による連動: AIエージェントがGoogle Cloudの各サービスと「手足」のように連動するための標準プロトコルとして MCP が深く組み込まれました 。
Knowledge Catalogの登場: 旧Dataplexが「Knowledge Catalog」へと進化し、あらゆるデータを知識の源泉とする「Universal Context Engine」として再定義されました 。
「データは本来あるべき場所に置いたまま、知能(エージェント)が自由に、かつセキュアにアクセスしにいく」
この境界のないアーキテクチャこそが、エージェントを実用化するための”データ基盤”となっていくのだと確信するとともに、この数年間におけるアーキテクチャの変貌に驚いています。
また、データソースシステムとなるSAPでは「SAP BDC Connect for BigQuery」、Salesforceでは「Salesforce Data 360」によりそれぞれZero Copyのためのソリューションを発表・提供しています。
4. Agentic Defense:AIを安心・安全に利用するための「防衛線」
本セクションでは、エージェントが自律的に動き出したとき、いかにしてそれを統制し、安心・安全に共に働く環境を作るか、その防衛戦となるレイヤである「Agentic Defense」に関する発表に触れたいと思います。
Agent Identity: SPIFFE IDによる暗号化認証で、エージェント固有の「身元」を保証し、IAMやVPC-SCと統合して厳密な権限管理を行います 。
Agent Gateway: すべてのエージェントのトラフィックとアクセス制御を一元管理する「航空管制塔」です 。
Agent Registry: 組織内のすべてのエージェントやツール、MCPサーバーを一元管理する中央カタログ機能を提供します 。
Agent Anomaly Detection: 統計解析とLLMの論理判断を組み合わせ、エージェントの不審な挙動やツールの悪用をリアルタイムに検知・遮断します 。
一見、難しく見えますが、これらはそれぞれWebアプリにおけるセキュリティ(IdP、CLB、WAF)の考え方に酷似しており、個人的には納得度の高いものでした。
さらに、Wizとの統合をはじめとするパートナーエコシステムの強化により、クラウドの構成からエージェントの振る舞いまですべてを可視化・保護する構想が具体化されました。
攻撃する側もAIの自動化・高速化能力を利用し、効率的かつ巧妙に攻撃を行ってくるのに対し、防御側もAIを積極的に活用し、「AI vs AI」の前提で人間とAIが協力して運用する体制を構築するための様々なセッションが行われました。
5. GWS関連Update:強力なUpdateの数々
最後に触れておきたいのが、Google Workspace(GWS)です。GeminiやNotebook LMの強力な機能が呼び水となり、弊社でも非常に引き合いを多くいただいています。
GWSも、エージェント時代の中心地として劇的な進化を遂げています。(少し地味なのか、セッション自体は空いているものが多かったですが、めちゃくちゃUpdateされています!)
まず、Microsoft 365からの移行を支援する 「Data Import」ツール は、完全クラウドネイティブ化により従来の 5倍の速度 を実現しました 。
インフラ追加コストなしで、Teamsのメッセージや暗号化ファイル、最終的にはSharePointやExcelマクロなどの複雑なデータまでシームレスに移行可能であることが発表されました。
そして、戦慄を覚えたのが 「Sheets Canvas」 です 。Geminiと統合されたシート上で、コードを書くことなく自然言語だけで独自のインタラクティブなアプリを構築できてしまいます。

こちらはSheets Canvasによるダッシュボードのデモ画像です。これまでのGemini for GWSの機能により、単一のグラフ作成は可能でしたが、ここまでくるともはやこれは「BI」です。
データがGWSに留まったまま、エージェントがあらゆる処理とUI構築を完結させてしまう。しかもこれがGWSとしての機能にビルトインされている。
驚愕を覚えると共に、特定の機能のみを提供するサードパーティ製SaaSの多くが、その存在意義を問われる 「SaaSの死(終焉)」 が間近に迫っているという生々しいリアルも感じました。
最後に:次世代へ繋ぐ「刺激」と新たな仲間の募集
今年のNext '26には、期待の若手メンバーを含めた計3名で参戦しました。
16時間の時差や猛烈なスピードの英語セッションに揉まれながらも、目を輝かせて最新技術を吸収しようとする若手の姿を見て、私自身も大きな感銘を受けました。
帰国した頃にはなんか少し大きくなっているように見えました。(食べ過ぎて太っただけか?)
来年はそんな彼が他の若手メンバーを連れて、よりこの「刺激」が連鎖し、皆が成長できるような機会になると良いな、と思いました。
リベルスカイは、単にAIツールを「使う」会社ではありません。
今回の発表にあったようなエンタープライズの未来を自分たちの手で構築し、様々な企業のみなさまのDXに貢献したいと願う、そんな 「技術への変態的な情熱」 を持った仲間を募集しています。
データ、セキュリティ、インフラ、すべての職種において積極採用中です!
ぜひよろしくお願いします。



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