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公式「Google Cloud Skills」でパダワンを作った話

  • 2 日前
  • 読了時間: 6分

更新日:5 時間前


A long time ago in a galaxy far, far away.... (遠い昔、はるか彼方の銀河系で…)

 ――じゃなくて、いま、東京中央区・日本橋のオフィスの片隅で...


こんにちは、リベルスカイのデータおじさんです。 皆さん、例の映画、もう見ましたか?


私は早く見たくて仕方がないのですが、家庭内でのフォースのバランスを保つのに忙しく、まだ劇場に足を運べていません。


今日はその見に行けないウズウズした気持ちをフォースに変えて、このブログをお届けしたいと思います。



エピソード0:Agent Builder


みなさんAgent Builder使ってますか?やはりいまは圧倒的な「AIエージェント」ブームです。


私も日々の業務で様々なエージェントを作っては、プロンプトを叩き、アーキテクチャの相談相手としてAIを使っています。


しかし、それなりにデータ基盤という名のハイパードライブをこねくり回してきた私からすると、AIの提案にはどうしても「現場感のなさ」が欠けており、たびたびフォースの乱れを感じてイライラすることがありました。


例えば、こんなイメージ(だいぶデフォルメしているが、そこはご勘弁)


まずは普通のGeminiに「オンプレのデータをBigQueryに持っていく設計」について軽く相談してみました。


 私:「データ基盤をGCPで構築したい。データソースとなるオンプレにある業務DBの生データ、まずはスモール・クイックスタートとして、BigQueryにバッチ転送で送り込む構成で組むことにしよう」



素のGeminiくんの回答
素のGeminiくんの回答


 私:…馬鹿野郎!! 「素晴らしい方針ですね!」じゃないんだよ!オンプレからGCPにデータを送るって言ってるのに、ネットワークの経路について一切の確認も警告もせず、いきなりGCS経由の構成をドヤ顔で提案してくるなんて、データエンジニアとしては即スクラップです。


もしユーザーが何も考えずにインターネット経由で機密データを送ろうとしていたらどうするつもりだ!


いくらAIがデータパイプラインの知識に長けていても、Google Cloudの「Well-Architected(セキュリティやネットワークのベストプラクティス)」が染み付いていないAIは、現場ではただの時限爆弾でしかありません。


「AI、所詮はAIじゃ。ワシの洗練されたインフラ設計思想には、遠く及ばぬ、まだな…」


と、緑のアレっぽくGeminiの画面を見下ろしていた私の目に、飛び込んできたのじゃ。とあるGoogle Cloudの公式ブログが。




エピソード1. エージェントの脳を拡張する「Agent Skills」の衝撃


「これは、エーガナ(ええがな)...!!」


Googleが、エージェントに追加の専門知識を持たせる仕組みである「Agent Skills」の公式リポジトリを公開したとな。


この初期リリースの中には、BigQueryなどのコア技術に加え、Google Cloudの「Well-Architected Framework(セキュリティ、コスト最適化など)」の知見まで含まれているとのこと。


「……これをAIにインストールしたら、どうなるんだ?」 データおじさんのフォースが、激しく疼き始めた。




エピソード2. Agent Builderで私に「パダワン」ができた(...はずだった)


このスキルはターミナルからコマンド一発でインストールすることも可能ですが、今回はNext '26で大幅に進化した「Agent Builder(Agent Studio)」を使って構築してみよう。


Agent Builderの凄さは、「ノーコードでAgentが作れる」点です。


GUI上でAIの性格を決め、必要なデータストア(知識)やMCP(手足)をポチポチと紐付けるだけで、セキュアで統制の効いたエージェントが完成します。


簡単に作り方を紹介しよう



ステップ1:エージェントの「器」を作る


Google Cloud コンソールからAgent Builderを開き、新しいエージェントを作成します。

今回は親しみを込めて「GCPadaone(ジーシーパダワン)」と命名しました。





ステップ2:公式スキルを仕込んだMCPサーバーを指定


次に、「ツール」パネルを開き、最新アーキテクチャの要である「MCP(Model Context Protocol)サーバー」を追加します。


あらかじめ公式リポジトリ(https://github.com/google/skills) をインストールし、仕込んだMCPサーバーをCloud Runで構築(※今回は手順説明を省略)


ここでエンドポイントURLに構築したMCPサーバーを指定するだけで、Googleの膨大なベストプラクティスがGCPadaoneの脳髄へと直接プラグインされます。





...のはずでしたが、デプロイすると

ModuleNotFoundError: No module named 'mcp'

エラー内容を要約するとこうだ。


「弟子を動かすのに必要な部品が足りません」


公式スキルを参照するための"つなぎ役"のプログラムが、内部で使うはずの専用ライブラリを見つけられず、立ち上がる前に転んでしまったのだ。


私は慌ててAgent Builderの画面を隅々まで見渡した。「足りない部品を追加する」ボタンはどこだ。設定はどこをいじればいい。


……ない。Agent Builderには「ツールを足す」ボタンはあっても、「裏側の部品を足す」ボタンは存在しなかった。


ノーコードの心地よさに浸っていたツケが、ここで一気に回ってきた。

GUIというフォースの聖域は、便利である代わりに、いざ中を覗きたいときには分厚い扉で閉ざされている。

ここは今後のUpdateに期待か。




エピソード3. エディタへの帰還


まだ立ち上がってすらいない弟子を前に、私は途方に暮れていた。


GUIの画面をどれだけ探しても、「足りない部品を足す」場所は見つからない。

Agent Builderは、便利な分だけ、中身に手を入れることを許してくれない場所だったのだ。


「……仕方ない。エディタに戻るか」


普段から愛用しているVSCodeを開く。そこには、もう一人の見習い弟子が住んでいる。「Cline」という名のAI拡張機能だ。


※本来は、Skillの生みの親であるClaudeでも良いのだが、今回はGeminiモデル前提で行いたかったため、Clineを選択


GoogleのSkillsリポジトリを丸ごとクローンし、Clineの「弟子部屋」(.cline/skills/というフォルダ)に、3つの知識ファイルをそのままコピー&ペーストし、有効化する。




よし、これで準備は整った。




エピソード4. パダワンの覚醒(会話を始める)


恐る恐る、さきほどとまったく同じ質問をぶつけてみる。




返ってきたのは構成案ではなく、質問だった。「このバッチ転送の頻度と許容されるデータ遅延はどのくらいですか?」――選択肢のボタンまで添えて。


別の聞き方を試すと、今度は google-cloud-waf-cost-optimization が読み込まれ、コスト管理の現状を尋ねてきた。上手くスキルは読み込んでいるようだ。



私:「お、おぉ、弟子よ。なかなか分かってきたではないか。(しかし、この質問に私が答えられるかな...)」



同じGeminiモデルではあるが、GeminiアプリとClineとツールが変わってしまったことなどから、単純な比較はできず、質問を返す、という点もSkillsによるものではないが、回答内容の”精度”は明らかに変わった(覚醒した)ことが確認できた。





エピソード5:おじさんの居場所と、新たなる希望


「Agent Skills」をインストールされたAIは、もはや適当なことを言うチャットボットではありません。


Google公式のベストプラクティスを完全に理解し、コストやセキュリティにまで目を光らせる「私よりGCPに詳しい最強のパダワン(もはやマスターというべきか)」として爆誕してしまったのです。


しかし、これもまた「Agentic Enterprise」の正しい進化の形です。


これからのエンジニアの仕事は、「AIにコードを書かせること」ではなく、「Agent Builderを使って公式スキルや自社のルールをAIに正しくインストールし、彼らを最強の相棒として共に戦っていくこと。


これこそがこれからの時代を生き抜くエンジニアの「新たなる希望」なのです。(おじさんの居場所あるかな...)


今回はAgent Buiderでのアプローチに失敗してしまいましたが、Agent Buiderではマルチエージェントな構成を作ることにも長けており、何よりノーコードである強みがあります。

※こちらはまた何かの折にご紹介できればと思います。


リベルスカイでは、こんな風にさまざまな技術の検証も楽しみながら皆での成長を目指しています。

データ、インフラ・セキュリティなど全ての職種で積極採用中です!


みんなで楽しみましょう!


無限の彼方へ、さぁ行くぞ!

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Image by George Kedenburg III

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